そして借りてきた猫状態のあたしは、半ば強引にシャワーを浴びることになり。
すごく助かってるはず。
風邪ひいたら困るし。
おまけにお姉さんは洗濯までしてくれるって言い出して。
今日の服、牡丹から借りてるのに……。
白だから余計だけど、汚しちゃったのが目立つ。
どうしよう。
ごめん、牡丹!
いろんな気持ちが混ざって、ため息をつく。
曇ったガラスにシャワーで水をかければ、映った自分の姿。
こんなの、なければいいのに。
そうすれば、紅珠沙とも関わらなくて済んだかもしれない。
仲間を巻き込まなくて済んだかもしれない。
今更後悔したって、遅いんだよね。
胸元の蓮にそっと触れて、再びため息を零した。
服を着て、タオルで髪を拭きながらお風呂を後にする。
リビングに行くと、何やら聞こえてくる口論。
「じゃあ、どうしてなくなるの!?
歩いて出て行っちゃったとでも言い張るつもり?」
「そんなに食いたいなら、また買ってくればいいだろ」
いったい何を言い争っているんだろう。
呆然と立ちすくむあたしの気配に気づいて、凪兎が振り向いた。
濡れた髪を拭くために使っていたであろうタオルを、頭の上にかぶったまま。
笑顔が可愛く見えるのは、八重歯があるせいなのかな。


