いっぱい笑って悩まされて、ほんのり高鳴る鼓動。
そんな時間も夢想の如く、儚く散る。
「こんにちはー!
……あれ?もう、こんばんはか?」
上がり込んだ家の廊下を突き進んだ先。
周りの和室とは、不釣り合いな洋風な部屋が目の前にある。
「ゆずゆちゃんっ、遅かったですね。
心配してたんですよ」
「明日くんなんか、後半電話かけまくってたからね。
ついさっき、蘭さんを迎えに行くって飛び出して行ったよ」
「ゆゆーっ、会いたかったよぉ!」
只今、17時半。
外は薄暗くなり始めて、いよいよ夜がやって来そうな雰囲気だ。
とは言っても、まだ外で遊べるくらいには明るいんだけど。
話に夢中になるあたしに水を差した凪兎は、危ないからと途中まで送ってくれた。
さすがに牡丹の家の前までは断ったよ。
目撃されようものなら、暴走しかねない人物もいるしね。
「ねぇねぇ、その袋何ー?」
そう、抱きついてくる風音とか。
「お土産。
みんなで食べよう?」
「わーい、食べるーっ」
ところで、飛び出したらしい奏斗はいいとしても。
「牡丹、寿羅来てないの?」


