じーっと観察してみても、怪しい動きなんてしない。
問題なのは、首を傾げてしまいたくなる発言だ。
何か隠してるの?
よくよく考えてみれば、あたしは凪兎のこと名前くらいしか知らないし。
年も誕生日も血液型も、どこの学校だとか全然知らない。
「で、気になる?」
見つめるあたしを気にする様子もなしに、話は続けられる。
「何が?」
「さっきの電話の内容」
うん……気にならないと言えば嘘になる。
でも正直に気になるって言うのも、どうかと思う。
「多少?」
「なんだ、微妙な反応か。
ちょっとは気にしてくれてるって期待してたんだけど」
「なっ……」
無性に恥ずかしさと同時にムカつきが込み上げてくるのは、なんでだろう。
今まで凪兎に向けていた視線を、前方へと動かした。
あたし、からかわれてる?
「仲間がさ、これからカラオケ行くんだって。
誘われたから夜行くって伝えといた」
「うん」
「電話の相手、男だし。
ちょっとは安心した?」
「うん………って、違っ!」
ヤバい、つい頷いてしまった。
流されちゃダメだ。
これから気をつけよう。


