見ろ、この健気な姿を。
「女の子もいるのねーっ」
………聞いてないし。
今度は口を開けたまま、固まってる愛美ちゃんに飛びつく。
「あらまぁ、牡丹にそっくりだわー」
「すみません……えっと、」
言葉に詰まった牡丹に、こっそり教えてあげた名前。
「すみません……つぐみ…さん?」
まだちゃんと牡丹は、目を覚ました愛美ちゃんと話してないから。
名前もテンションの高さも知らないよね。
情報交換が必要だ。
あとであたしが知らないこと、教えてもらわないと。
「こんにちは、愛美です」
「女の子が増えると華やかで素敵ー」
だんだん、誰が子供で誰が大人かが判断しにくくなってくるんだけど。
存分にはしゃぐお母様に、困った顔の牡丹でしょ。
食べることしか考えてない2人に、爆睡してるコと傍観してるだけの人。
本当、自由人ばっか。
「お母さん、そろそろお仕事に戻らないと」
しびれを切らした牡丹が声をかけても、まったく耳に入ってないらしく返事がない。


