改めて心の中で、おやすみと伝えた。
それから、いい夢見てますように。
「あ、黎緒くんじゃない。
うわー、会いたかったーっ」
って、ちょっとお母様はしゃぎすぎ。
和菓子を食べ始めた奏斗の横を通り越して、黎緒先輩の両手を握ってる。
「久しぶりねー、もう超幸せっ。
しばらく手洗えなーい」
本当に幸せそうな笑顔だ。
好きな芸能人と握手した時みたいな。
「牡丹ママ、んっとに黎緒先輩好きだよな」
「はい……梨城先輩すみません」
頬をほんのり赤らめて困ったように謝る牡丹。
話を聞くことには、お母様は黎緒先輩のファンなんだって。
「うふふ、満足満足。
ねぇゆずちゃん、そっちのコは?」
手を離す時さり気なくハグしてから、視線は寿羅へと向けられる。
どんなことに対しても、黎緒先輩はただただ無言のまま笑顔。
だから一瞬笑顔が消えて目が合っちゃった時の恐怖心といったらもう………
「蘭さん、どうかした?」
「い.いえっ、何もっ!?」
あたしは何も見ていない。
そうだよね、ゆずゆ!?


