「皆さん、お待たせしました」
襖を開ける音がして、その先にはお盆を持った牡丹。
さっきまでの会話が一瞬で静まる。
それから
「良かったら召し上がってくださいねーっ」
牡丹とそっくりの笑顔を浮かべたお母様のお姿が。
こ.これぞ、まさしく美人親子。
恐れ入ります。
そりゃあ、会話も止まるはずだわ。
溢れ出る可憐オーラ、ヤバいっす。
「うおぉぉぉ、待ってました和菓子!
さすが牡丹ママ、やるぅー」
さっそく、ノリノリで手を伸ばしているバカ1名。
本当に和菓子目当てだったんだ………。
「今日は人数がいつもより多いって聞いたから、どんなお友達が来るのか楽しみにしてたのーっ」
明らかに牡丹よりテンションが高めなお母様。
近くにいる人物から順に、名前を言いながら指差すのは毎回のことで。
「奏ちゃんでしょー」
奏斗のことを奏(ソウ)ちゃんなんて呼ぶ、貴重な人だ。
「ゆずちゃんでしょー」
そんで唯一、あたしを“ゆゆ”ではなく“ゆず”と呼ぶ人でもある。
「ゆずちゃんのそばで寝ちゃってるのが風音くんでー」
ちらっと見ると、確かに気持ちよさそうに目を閉じていて。
動き回って疲れたんだろうな。
ごめんね、風音。


