それも、眉間にシワを寄せながら。
「はい?何かご用ですか、可愛いお嬢さん」
だが相手は、いつも通りの笑顔。
そう、いつも通りのね。
「あんま奏斗には関わんないほうがいいよ」
念のため忠告をするのに口を挟む。
「もうちょっと笑顔になってくれないかなぁー?」
それでも尚、彼女は奏斗へと接近を続けていて。
「笑顔?仕方ねーなー。
可愛いコのためならいくらでも笑顔になってやろうじゃんか。
その変わり連絡先交換しよーぜー」
こんな時にまで女の子を口説くとか、どんだけだ。
癖なのか?
口説くことが、癖なのか?
病気じゃないかしら、それ。
今すぐ精神科へ行ったほうがいいんじゃない?
「そう!それだよっ!
キミ八重歯あるのね!
ルイと一緒」
あまりに大きい声ではしゃぐから、思わず耳を塞ぐ。
八重歯?
ルイと一緒?
「私、ツグミっていうんだ。
愛に美しいで愛美。
よろしくね!」
そうして彼女──愛美ちゃんは奏斗に向かって手を出した。
なんだ、このとてつもないテンションの高さは。
「お…おう、よろしく」
女の子目の前にしては、珍しく苦笑いになってるぞ。


