立ち上がって苦笑しながら言われたって、気にしないんだから。
そのうち肩がこるのは目に見えてるわけだし。
「さぁ、ぐっすり眠るといい」
奏斗におんぶされた風音の頭を背伸びして撫でる。
寝顔が可愛すぎるのが、めっちゃムカつくわ。
神様って、とことん不公平だ。
「あの、ちょっと聞きたいことがあるんですけれど」
目をこすりながら、牡丹に服を引っ張られて
「ゆずゆちゃんが助けに来てくれた時、誰かいませんでしたか?」
歩くスピードを遅めた。
誰かに聞かれちゃまずい話をするわけじゃないけど、なんとなく。
上手くは言えないんだけど………
「いたよ。
凪兎って言ってた。
あたしのこと助けてくれて」
自然と、みんなには聞こえないような小声になる。
指示通りケータイにつけたストラップを見つめつつ、浮かび上がる疑問。
「凪兎は、その女の子のこと知ってるみたいだったよ」
【操られてる】とか言ってたよね。
本当かどうか、わかんないけどさ。
「あと………」
言いかけて言葉に詰まってしまう。
「ゆずゆちゃん?」
「ううん、なんでもない」
【蓮………?】
確かにあの時、牡丹の刻印を見てた。
知ってたのかな、刻印の意味。


