どうか遊びの標的が、こっちまで広がりませんように。
心の中でそっと願う。
「それにしても、ゆゆ消えた時死ぬかと思った」
おい奏斗、なぜおまえが死ぬ?
発言が大袈裟すぎるでしょ。
「あたしは、とにかく怖かった」
具体的に何がって聞かれると回答に困るんだけど。
「紅珠沙の人たちに捕まったんでしょ?
どこも痛い痛いじゃない?」
腕にしがみついてきて、心配してくれる風音。
くっつかれると歩きにくい。
でも、
「平気平気」
「そっかぁ……良かっ…た」
重たくなる瞼に反抗して、目をパチパチさせてる。
体重をあたしのほうにかけたまま歩いてて。
「大丈夫?
眠いんじゃないの?」
ウトウトし始めちゃってたから、突き放すこともできない。
「うー‥…ちょっとだけ、肩貸して、ね」
ダメだ、このコ寝る準備に入っちゃったよ。
別に嫌なわけじゃないけど、ずっとこの体勢は保つ気がしない。
「ねぇ寿羅、風音のこと支えてあげてくんない?」
「は?なんっで俺がこいつの世話しなきゃ───」
「却下」
「……意味わかんねーよ」


