「少し目を離した隙に消えちまって。
今梨城が探してる」
そんな、いきなり誘拐だなんて。
いや、まだ誘拐と決まったわけじゃないけど。
こんな時は、何事も行動するのが大切だよね。
もし牡丹の身に危険が迫っているならますます。
「よし、手分けして探そう。
あたしこっち行ってみる」
「おいゆゆ、ならオレもそっち方面行く」
「ボク、ゆゆと一緒がいい」
「てめーら、探す気あんのか……」
駆け出してからも、ずっと背後から3人の声が聞こえてる。
手分けって意味、わからないのかな。
結局くっついてきた奏斗と風音に対して、聞こえてくる寿羅のため息。
寿羅が可哀想に思えてきちゃうよ。
ほんっと、うちのコが迷惑かけてばかりですみません。
「こっちいなそうだし、反対行ってみよう。
てか、黎緒先輩どこにいるのか電話してみ───」
ケータイを取り出そうとした瞬間、あたしの声を遮るくらいのガシャンという音が響いた。
ちょうど今歩いて来た方向で、まるで何かが崩れたみたいな音。
驚いて、全員でうしろを振り返って。
「───っ!!」
何事かと考えていると突然、背後から腕を回され口を塞がれた。
他のみんなは音に気を取られて気づいてくれない。
「んーっ!…うぐっ………」
もがいて逃げようとした途端……何すんだよ。
み.みぞ…鳩尾強打って………。


