恋愛倶楽部 -love-




「部室行こ?ね?」

「嫌だ」


出たよ、ソッコー拒否。



寿羅は部室に行きたくないらしい。

原因は風音。

昨日の言い争いをまだ引きずっているんだとか。


そこで、すぐさま帰ろうとするこいつを捕らえるしか方法がなかったってわけ。



結局昨日、風音との帰り道に紅珠沙の話題になったのに。

風音ったら、どうでもよさそうにしててさ。


あたしが一緒に帰った努力が水の泡だよ、まったく。


寄り道したクレープ屋さんでは間接キスせがまれるし。

もちろん、あたしはチーターの如く華麗に逃げ出してみせた。



とりあえず今は、なんとかして2人を仲直りさせないとね。



だからごめん寿羅、最終手段を発動させちゃいます。


「……強制連行」

「だっ、てめっ、やめろ!」


ギャーギャー騒ぐ獲物を見て見ぬフリ。

強引に腕にしがみついたまま引きずるように歩を進める。



「あぁ……ゆゆって時々大胆だよな」

なんて呆然と呟く奏斗は無視。



「バカかてめー、んな思いっきりくっついてんじゃねーよ!」

慌てた口調の寿羅も無視。