……はて、いつからあたしを送ることが奏斗の役割になったんだ?
あたしは頼んでないし、向こうが勝手にそう思ってるだけだよね。
「心配無用。
ゆゆがオレに飽きるわけないっ!」
は?
なんだと、こいつ断言しやがった。
なっ、と同意を求められても対応に困るというか。
実際、飽きるとか飽きてないとかの前に“送ってもらうなら奏斗”のイメージが脳内に焼きついてる。
そもそもそれは大問題な気がしなくもなくもない。
「んー‥まぁ、飽きてはないよ。
他の人と2人で帰るとか遠慮したいし」
例えば、風音とか黎緒先輩とか風音とか風音とか風音とか………。
「それって、オレとしか一緒に帰りたくないっていう遠回しな告白だったり?」
「ポジティブ思考いい加減にしろ」
要するに、あたしは今日地獄に自ら飛び込んだと言っても過言ではない。
なんせ、あの風音と一緒に帰宅せねばならぬのだからな。
あぁ、嫌な予感がひしひしする。
「どうか女神様、あたしに幸を」
「あの、ゆずゆちゃん?
私に向かって拝まれても女神様にはなれませんよ?」
「ゆゆ帰ろーっ」


