美香はいつも虚しい気持ちを抱え昼休みは校舎裏で一人お弁当を食べていた。




どうせ一人なら誰もいないところがいい。




皆がいる教室で一人でいるより、まわりは無人で一人いる方が、多少なりと孤独感が和らぐ気がするのだ。






お弁当は毎朝美香自身で作ってくる。




母親がお弁当を作らなくなったのは、美香が小学生になったときだった気がする。




当時まだ幼かった美香は夕飯の余りものをお弁当に詰めていき、毎日、隣の席の子のお母さんが作ってくれた愛情あるお弁当を見つめながら食べていた。