―ここは、きっと私の知らない場所。





…白い世界。





やっぱり私は死んでしまったのかもね。



だったらちょうどよかった・・・。






もう生きてなくていいって思っていたから―
















美香の目がゆっくりと開く。






天井の白いプロペラファンが、まるで眠りにつく健やかな赤ちゃんをあやすメリーのように静かに回っていた。





静かに身体を起こしたところは真っ白なベッドの上だった。




けれどもベッドだけではなかった。



辺りの壁すべて、まるで何もまだ描かれていないキャンバスのように真っ白な部屋にいることに美香は気づいた。




部屋の中の家具も比較的白めのものに統一されていて、美香がこの部屋を天国かと見間違えたのも納得するような空間だった。




服も…。






―あたし、制服着ていたはずなのに…いつの間にか着替えてる!?―





美香は真っ白なパジャマを着ていた。





ベッドから出て、部屋の中を歩く。





やっぱり白いものしか周りにはなかった。