海は青く、夕日は燃えるような橙。




砂は白く、鳥は淡いグレーの羽を広げ空を泳いでいた。




美香が普段過ごすモノクロの世界がまるで異国のように思えてくる。




美香は琢海に会えることで枯れそうな花が水を浴びてまた活き活きと葉を広げられていくような気持ちになっていた。




「ありがとう。」




琢海が照れくさそうに言うと、そんな素直で真っ直ぐな瞳で見つめられた美香の方がなんだか照れくさくなり、不意に頬を赤らめてしまう。