「美佐か…なんて美佐を抱かないの?」

「急にキャンセルされて、それで星野芽瑠って子が代理でヤッてくれるって」




代理?



ああ――…もう何となくわかってきた。




芽瑠がどうして「悪魔マリア」と呼ばれる理由が。



「芽瑠って子…」

「呼び捨てにするな、俺の大事な子だから」




芽瑠って呼んでいいのは俺だけ。そう思いたい。



「本当に好きなんですね、芽瑠さんのこと」

「うん…世界一好き」

「そうですか」

「それとお前らに言いたいことがる…。俺は芽瑠を助けたあとホストをやめる。高校生がホストやってるってバレたら退学だから…だから今日は盛り上げてくれ」





美佐も呼び出して、芽瑠の歪んだ日常に幕を下ろさせるから。



多分美佐は俺の後輩の代理に来ることは俺がホストだと勘づくはずだから…。


この仕事は辞めなきゃいけない。



「そんな…叶さんが辞めたら」

「そうですよ…」


ありがとう…。



みんな俺はこのホストのナンバー1で良かったと思ってる。



「俺が辞めたら悠馬がナンバー1になると思う。悠馬の言うことは聞けな?」

「……わかりました」



そう言ったのは棗で…次にナンバー2になるだろう。



みんな…ごめん。



女のためにホストを辞めてまで守りたいと思う子は芽瑠しかいないんだ…。