ヒーローがこの世に存在するなら今すぐ助けてください。



イヤな汗が自然に頬を伝ってくる。




ハア……ハア。




これを成し遂げたら自分を誉め称えてあげたい。




ねえ…友達は誉めてくれる?



痛いんだよッ!



あと一歩の手が動かない。動かしたくない。




そんなの激痛が体に走って死ぬに決まってる。




もっといい環境に住んでいて周りもあんな友達じゃなければこんな思いしないで済んだの?




こんな逃げられないオリに入れられて苦痛だ。




次第にお腹も痛くなってきた…。




置かれてるこの状況を確認して思った。




幸せは私には訪れないと。




幸せは掴めとれる人と思い描くことしかできない人がいるということを。




私は心の中でそう諭したあと指を押し込んで耳に穴を開けた。