キミを待っている



ホットドックをお腹に収め、あとはぶらぶら歩いているだけだった。

それでも、ユカリさんとおしゃべりしながら歩くのは楽しかった。



アトラクションのチケットがあと一回分あまっているので、最後にどのアトラクションに乗るか思案する。

すると、ユカリさんは何かが目に止まったようだった。

それは、

「観覧車に乗りませんか?」

空高く回転する車輪。

「でも、人がいっぱいだと思うよ」

この時期に観覧車なんてそうそう乗れるものじゃない。

「……最後に並んでも乗りたいじゃないですか」

彼女の隻眼は観覧車よりも遠くを見つめているように思えた。





行列は覚悟していたけれど、僕の予想を遥かに上回っていたようだ。

そもそも観覧車は一度に乗れる人数が多くない。

この点でゴンドラなどの移動手段とは比べ物にならないくらい低い回転率ということがわかったはず。

待っているだけで足が棒になりそうだった。



それでもいつかは順番が回ってくる。

僕とユカリさんはやっとのことで観覧車に乗り込む。

二人は向かい合って座った。

「ふう」

外を見てみると、空が赤く染まり始めていた。

もうそんな時間か。

夕暮れ。

もう帰る時間が差し迫っていた。

「ショウタさん」

「ん、何?ユカリさん」

気が付くと彼女はうつむいていた。

今朝のように。