キミを待っている



「どこに行きましょうか」

ユカリさんが先に切り出した。

どこでもいいよ、なんて無責任な事は言えないけど。

「うーん。やっぱり定番ジェットコースター?」

「私……苦手です」

「そう?僕も苦手だよ。寒いしね」

地元だから、ここのアトラクションはお互いよくわかっている。

「それじゃあ、お化け屋敷にする?」

「その……怖いの苦手です」

「そう?僕も苦手だよ。納涼は季節外れだしね」

それじゃあ他にどこがあっただろう。

「コーヒーカップとか?」

「目が回ります」

「回すために乗るんじゃないかな。寒いけど」

……冬に遊園地って、何で遊ぶのかよくわからない。

「何かゆったりとしたアトラクションにしよう」

「……そうですね。寒いですし」

今更だけど、僕とユカリさんは気が合っていると思う。



メリーゴーラウンド。

「定番と言えば定番だね」

「そうですね」

少なくとも、コーヒーカップより目が回らない。

乗り物券は入場チケットに付いてきたものを使う。

円の上で回り出すのを待ちわびている馬たち。

僕らはそんな中で二人で乗れる馬車に乗った。

……乗る前はただ回転しているだけのものがどうして楽しいのかよくわからないものだけれど。

「動き出した……!」

案外振り回されているだけでも楽しい。

「結構速いですねー」

子供みたいにはしゃぐのも普段はなかなかない。