「うーん」
「どうしたんだよ、藤沢」
うなっていたら、ナオキが聞いてくれた。
いや、正直に話すもんじゃない。
「……みかんとレモン、どっちがビタミンCの量が多いのかなって」
「レモンだろ」
「やっぱりそうだね」
「まあグレープフルーツやゆずより少ないけどな」
「それじゃあこたつにグレープフルーツを置いておくよ」
「やめとけ、お前んちのネコが食って、苦くてのたうちまわるぞ」
「……食べないと思うけど、家に帰ってのたうちまわってたら嫌だなあ」
いや、案外かわいいかもしれない。
「それじゃあオレは行くぜ。腕がちぎれそうだ」
その言い方じゃあ話している場合じゃなかったかもしれない。
傍から見たら大丈夫そうだけど。
「うん、それじゃ」
僕は右手を軽く上げて、その場を去る。
情報処理室に着き、ドアを開ける。
途端、中から暖かい空気が流れ出てくる。
「やあ」
挨拶をする。
部長としてこういうのはちゃんとしようと思っているからね。
それに連絡もある。
「明日から部活は少し休み。冬休みは歳末元日以外は開放されているけど、自由出席ね」
このパソコンは基本自由なスタイルである。
自分の作業に集中したい人だっているからだ。
……そのせいで、あんまり言葉を交わす様を見られないけど。
だから根暗だと言われるんだ。



