さて、今日は今年最後の生徒会の招集である。
終業式の日はさすがに誰も集まりたがらないから。
「今年一年お疲れ様……一応言っておくわ」
「いくらなんでも適当だ。きちんとしろ」
田無生徒会長はやる気がなさそうに集会を終わらせかけた。
「あなたがやりなさい、麻田」
半分しか開いていない目で、副会長に目配せする。
「仕方ない」
生徒会長は仕事だけで、形式ぶったことに興味のないのはいつものこと。
あきらめて麻田が、咳払いをし、
「今年一年ご苦労。そして来年もう少しお付き合い願う。――最後は万歳三唱どどんぱで締める」
「締まらないよ。どどんぱで締めるなんて発想ができないよ」
そもそもどどんぱって何だろう。
「万歳三唱だけで」
僕が言って、目配せする。
「せーのっ!」
静か過ぎて耳が痛い。
「こうなると思ってたよ」
「あなたが提案者なのに、どうして自分がやらないの?」
「どうせ僕だけバンザーイってはめるつもりだったくせに」
「誰もお前の案に乗るとは言っていない」
そんなことを言っていては締まりきらない。
まあそこがこの生徒会らしい。
そんななあなあで今年最後の生徒会は解散する。
――今日も部活へ、急ごう。
そう思って、すぐに自分のカバンをひったくる。
「あ、そうそう」
そこで、生徒会長が思い出したように切り出す。
「雪城ユカリの監視はもうしなくていいわ」
……その言葉の意味するところは、雪城さんが危険人物でなくなったということだろう。
「わかった。それじゃあ、お疲れ様」
僕は安心して、生徒会室を後にした。



