「あいつ、俺にも全部は話してくれないんだわ……
水臭いよな〜従兄弟なのに」


「昨日は何か用事があってここに来たの?」


「あ〜人に会う為だって。もしかしたら、その人が記者に事件の話を漏らしたんじゃないかって………

でも、何か違ったみたいで《振り出しだ…》って言ってたな」


「どういう意味?」


「あいつ、昔の事件の事…つまり、犯人があいつの母親と揉めた理由知ってるみたいなんだ

それで………犯人の弟に会いに行って真相を聞こうとしていたみたいで」


「ええ〜!」


「あ……部活始まるわ

続きは帰りにでも…

急がないとヤバイ!」




私は葛西に言われ急いで更衣室に飛び込んだ

着替えながらも頭の中は、ファミレスにいた男が犯人の弟だと言う事でいっぱいだった

隆文さん


一人で無理してない?


危なくないの?


私は何だか怖くなった


そしてとても隆文さんが心配になった


どうしよう





道場に入ると不安な面持ちで愛美がいた

私が笑いかけるとホッとした顔になっていた



今は稽古に集中しないと



竹刀を持ち気持ちを奮い起こした………