「守る?………私、狙われる様な覚えは無いよ」



「…………アイツが出て来るかもしれないんだろ?仮釈放の申請中で認められたら出てくる。

最近は20年30年後と厳しくなっているみたいだけど…いつかは必ず出てくる」


「じゃあ年内とか来年に出てくる訳では無いの?」


「申請の基準は10年以上の者は申請できるみたいだけど…………
実際申請しても認められるのがいつだなんてわかんないし」


「隆文さんは犯人から私を守ろうとしているの?」


「いや。君を捜している奴がいてね。そいつが色々煩く当時の事を嗅ぎ回っているんだ。


どうやら、俺の親父が原因みたいでね……
過去の件も、今抱えている問題も。


過去の事で色々好き勝手書かれる前に君に伝えて何とかしたくて…


このままでは、君を二度傷つけてしまう。


今は俺なりにできる事をしたくて………


まだ学生の身で"何ができんだ?"って思われるかもしんないけどな」

………
悔しそうに唇をギュッと噛み締める隆文さん
何だかとても疲れている様に見えた

「隆文さん………」