と、思ったら。
ガバッと顔を上げたかと思うと、見たのは涙の跡が無い奈々の顔。
みんながキョトーンとしていると、にこっと笑って
「うそぴょーん☆」
と、ピースサイン。
「はぁ!?」
驚くあたしに奈々は
「驚いた?」
と、自慢げに聞いてきた。
「あ、ま、まぁね?」
曖昧に返事をしておいて、、、、
ひとつ忘れていること。
「あのぉ、、、名前なんですか?」
剛の友達の名前。
まだ聞いていなかった。
「あぁー、そういえば、聞いてなかったもんね」
「そーそー」
みんなが納得するなか、
「あ、俺?坂又竜城。ま、よろしく」
サラッと答える。
見た目とのギャップに少し驚く。
なんか、大人ーってカンジ?
“大人っぽいねぇ”と、言おうとしたら、
キーン コーン カーン コーン♪
チャイムがなった。
《新入生のみなさま、体育館前にお集まり下さい》
品の良い声が響く。
「行こうか?」
秀の一言で、あたし達は体育館に向かった。