「あーあ!本っ当に恥ずかしかったぁーー!!!」
会場を出て、一番最初に言った沙帆の一言。
「先輩にいろいろ暴露されたしな?」
秀は「なー?」と、剛クンに聞いていた。
剛クンは、「ちょっと、あれは困るし」と言ったが、なんとなく不自然だった。
「おーい!剛ーー!」
同じ中学の人が、剛クンを呼んだ。
「ちょっと行ってくる」
と、遠くに行ったのをチャンスに、
「なにか、あったの?」
と、小声で聞いてみた。
沙帆は、ため息をついて、
「ばれた?」
と、面倒くさいとばかりに聞き返した。
いつもなら、“うん、ま、嫌なら聞かないけどさー”と、引くところだけど、、、
今日はそんなこと、言ってられないし!
あたしは「教えてー」と、質問攻め。
沙帆は、諦めて
「いいよ、言ったげる」
と、しぶしぶOKしてくれた。
さすが、沙帆☆
「前の中学で、ちょうどお世話になった先輩が、靜先輩だったの。お世話になってた頃 は、痩せてて美人さんだったよ?性格はブッサイクだったけどねー。
 あ、仲良くしてたのは、あたしのことを気に入ってたから。あたしはスキじゃなかっ たよ?でも、みんなの中心にいるような人でさ、もしかしたら、あたしもそうなれる んじゃないかって思ってた。」
ちょっと、沙帆の瞳が、悲しそうに見えた。
「ある日さぁ、あたしに好きな人が出来た。それが、剛なんだけどね、大阪の時から知 り合いだったの。あたし、よく相談してた。でも、ある日に知ったんだ、あたしの悪 口を靜先輩が言ってたこと。」