「じゃあまずあれだ。宇宙からつくろうか」

「卵割ってみようか、みたく言うな」

「宇宙ていうのは本来とても複雑で作るのはとても大変なんだけれど」

「そういうレベルで宇宙創造語る人はじめて見た」

「今回はイメージだけでできるようになっているよ」

「まさか、わたしの脳内を改造したとか」

無視された。

「よし、じゃあ祭子ちゃん。きみが思う宇宙を頭に思い描いてご覧」

「スペースコロニーとかあってもいい?」

「人工物はちょっと除外しようか。ていうか凄いところ攻めてきたな」

「むむむ。それ、宇宙よできろ」


宇宙ができた。

奥行きも天地もない白い空間が、宇宙色に塗り替えられた。

私はこのとき、ああ、なんだか予想以上に複雑なことの中心にいるんだなあと思った。