伯母は秘かに溜め息をついて、それから口調を変えないように気を付けながら言った。

「…良かった。1人で海で遊ぶのは危険だからね。今度、私も一緒に泳ぎに行こうか」
「…うん」
「じゃあ、一緒に行こうね。そうだ、港の近くの公園、知っているでしょ。学校の女の子達が、お祭りの飾りを作っているの。良かったら、手伝ってあげてちょうだい?」
「…うん」

目を伏せたままのルートの頭を、伯母は力強く撫でた。
ルートはびっくりして、顔を上げる。

辺りは、日が陰って少し暗くなっていた。