「何でも無くない」 ちょっと拗ねてる様で。 たまにしか見せない、貴重な表情に私の心臓は大きく跳びはねる。 「……かわぃー」 口に出してから、ハッとする。 私、今なんてッッ!? 「可愛い……?」 笑っているのに……目が冷たいですよ…?奏さん。 「うっ嘘だよ!?」 「へーえ……?」 こっ怖いよー!!!!! 「こっち」 そう言われ、私は手を引かれるがまま奏の背中を追いかける。 着いたのは、人気の無いトイレの前。 「奏…………?」 ゆっくりとふりかえった顔はまるで……悪魔。 .