「ハァ…ハァ…」


気づけば、二人の思い出がある丘の上に来ていた。

そこには、小さくうずくまって、座っているちひろがいた。


「ちひろ…?」


「…実咲。どうして?」


「ここかなって気がしてさ…」


「ふーん。」


「空ってさ…なんで綺麗なんだろうね」


何処までも続く空。


「…あたしさ…。大好きな先輩に想いが届いて嬉しかった。だからさぁ…。イジメなんて気にしてなかった。自惚れてたんだよね。先輩は、どんなあたしでも受け止めてくれるそんな気がしてた。」


「ちひろ…」


「イジメにあってる彼女がいるなんて、格好悪いじゃない?だからかな…フラれちゃった…。」


知ってたんだ。
先輩がちひろを見捨てたこと。