たしかに前、見てなかった。


依智に言われてなきゃあたしは電柱にぶつかってたよ…。


アハハ…と苦笑いを向ければしょうがないといった感じで頭を撫でられた。


………気のせいかな?


なんだかむちゃくちゃ甘い…というかこの恋人みたいな雰囲気。


まぁいっか。




何故か二人で登校してしまった。


そのため周りからの視線がハンパなく痛い気がするんだが…どうか気のせいであってほしい。


そういえば依智もモテるんだったっけ?


すっかり忘れてたよ…。


さりげなーく依智から距離を置こうと歩幅を小さくしてもそうすることを読んでいたかのようにあたしに合わせる。


ぅう…周りの好奇と嫉妬とその他諸々の視線が痛い。


ようやく下駄箱に到達したが既に精神的に疲労していた。


さ…て、このまま依智と教室まで行って好奇と嫉妬その他諸々の視線をまた感じるか、それともなんとかして別々に行くか…だな。


前者はいつか呼び出しとかもらいそうで怖いんだよね。


後者は後者で嘘とかついたのがバレた時、どんなことが待っているのやら…。


最悪の選択肢しか残っていない。





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