それだけ言って満足したのか佑祢はどこかに行った。


その様子を呆然と見送ったあたしと依智。


てかイチャイチャって………。


意味を理解するために今の自分達を見てみたが…なるほど、納得できる。




今のあたしと依智の状態はこうだ。


体は必要以上に密着していて依智の片腕はあたしの腰に回されて片方の手であたしの顎を持ち上げている。


そりゃあイチャイチャって言われる、よね………。


てかこんなとこを他の誰かに見られたら…あたし、他の女子に血祭りに合うかも。


なんて思いを頭の中に巡らせていると段々とこちらに近づいて来る足音が聞こえた。


そのことに一気に体を強張らせたがそれに気づいた依智。


怪訝そうな表情で問われた。


「…どうかしたのか?」


答えようと口を開いたと同時にあたし達を日の光から隠すように陰が出来た。


…遅かった。


これは見つかったな…。


顔をしかめると依智もようやく自分達に陰が出来たのに気づいたらしい。


今さっきの甘い雰囲気(?)とやらは一体何処に?というほど裏庭の空気は変わったのだった。





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