え、ちょっと待ってよ。
なんかよく分かんないけどなんかのフラグ立ってるような気がするんだけど。


つか何か大事なこと忘れてないか、あたし。


少しの間唸りながら考えてみること数分。


「………あ」


思い出した、思い出したよ、あたし。


そうだよ、なんでこんな肝心なこと忘れてんの。


「依智、あんた…婚約者は」


依智の胸元に手をついて少し体を離しながら忘れてたことを問う。


あ、疑問符つけることすら忘れてたけど…まぁいっか。




「…婚約者？あぁ、婚約解消してきた」


………why？


え、なんと言いました？


あたしの聞き間違いとかじゃなきゃ婚約解消してきたとかなんとかそんな類の言葉が聞こえてきたんですが？


明らかに動揺を隠せないでいるあたしに対し満足げに微笑んでいる依智。


なんだろう、その態度イラッとくるんだけどそれ以上に安心してるっていうか………。


しかしどうやら婚約解消してきた話は本当みたいだ。


冗談とかならすぐに本当のことを言うけど今回は言わないし何より真剣な眼差しだし。





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