てゆーかこの学校の生徒だってことは分かってるよ。
この学校で何回もその姿見てきたしこの学校の制服着てるし…。
それにこの声…あたしが忘れるわけない。


「なんでここにいるのよ………




依智」


今まで実家に帰ってたクセに。
音沙汰もナシに急に現れるか、普通。


まぁ依智に常識っていう常識が通じるなんてことあんまり…てかほとんど考えられないけどね。


そんなあたしの思考を遮っていきなり腕を引っ張った。


「なっ!?」




次の瞬間には背中に回っている腕の感触。
前には心地好い体温。
そして制服越しに感じる心音。


すべてが心地好くていつもなら暴れてでも離れるのに今日は久しぶりのこの感触にむしろ身を委ねていた。


「…珍しいな、暴れないなんて」


髪を撫でながらそう言う依智。


その言葉に少しながらもムッとした。


「何、依智は暴れた方がいいの?それなら遠慮なく暴れさせてもらうけど?」


なんて言えば上から苦笑いが聞こえる。


「んーん、素直な美依も可愛いなぁって」


…なんだろう。
依智実家に帰って戻ってきたらなんか甘々度が増してる。





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