次の日から依智の姿を見なくなった。


いや、正しくいえば見ることが出来なくなった。


どうやらあのまま寝ていたらしく起きたときには陽もすっかり沈んでいて部屋は真っ暗、8時過ぎ。



リビングに行ってみると置かれていた一枚の紙切れ。


こんなもの、置いてたっけ?と思いながら手にとってその紙切れを見てみる。


『美依へ
 少しの間実家に戻ってくる。
 帰ってくるのはいつになるか
 まだ定かじゃねぇから…。
 出来ればオレの部屋は何も
 手をつけずにそのままに
 しておいてほしい。
            依智』


…この内容から分かるように依智は実家に戻っている。


何を思って実家に帰省?したのか意味はまったくもって分からないが。




依智がいない日常に違和感を覚えてしまう今日この頃。


なんだかんだいいながら結構依智を頼っていたってことを思い知らされる。


それに依智が実家に戻ってからは心…というか胸にぽっかり穴が空いたような感じだ。


何をするにも、心ここにあらず、ってな感じ。


ミスもしょっちゅうしてしまうようになってしまった。




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