ガクンとうなだれるあたしを他所に一気にペットボトルの水を飲み干した依智。


しかしその姿はなんとも色っぽく、飲む度に上下する喉仏とか、その首筋につたう濡れた髪から滴る雫とか…なんでもないことのはずなのに色気を放っている。




そんな依智を見て高鳴る鼓動は、『普段男の人とこんなことがなくて慣れてないから』と言い聞かせていた。


本当はこの時から分かっていたのかもしれない。


ただその気持ちを認めるのが怖くて、自分が自分じゃなくなりそうで…見えないように目を背けていただけなのかもね…。


この気持ちにもっと早く気づけていたのなら…もっと早く伝えていれたのなら…アナタは…依智は…あたしの隣にいてくれましたか?




これから先、どうなるのかを知らないあたし達に待ち受けているのは…過酷な試練だった…。





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