ヴァンパイア様と猫


朝登校して会ったのは佑祢と畝妓先輩。


佑祢に「どうしたの、その顔。 クマが酷いわよ」と言われ、畝妓先輩には「話ならなんでも聞くから言ってみ?」と言われた。


佑祢の言葉には事実だけに言い返せないが遠回しに「何があったの?」と聞いてくれている。


畝妓先輩は畝妓先輩でストレートに優しさが伝わってくる。


二人の優しさに涙が出そうになったがここは廊下。


しかし下宿人の依智と匙月の話題でその上ヴァンパイアなんて簡単に話せることじゃない。


そう思うと優しさだけ受け取って自分でなんとかするしかない。




「ん、寝不足なだけ。 心配ありがとね、佑祢」


そして畝妓先輩の方に向いて


「畝妓先輩もありがとうございます。 でも大丈夫なんで。 大丈夫じゃなくなったその時には話、聞いてください」


と言った。


あまり納得のいかなさそうな顔をしていたがその微妙な空気はある人達が破ってくれた。




「「美依ー」」


うん、振り向かないでおこ「なんで置いて行…バコッ」


サラっと言ってはいけないことを言おうとした匙月に振り返り様、鞄を投げつけた。





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