温室には珍しい花がたくさん咲いています。
入った瞬間、むせ返るような薔薇の香りに包まれるのがわかります。
安心するのです。
「薔薇のシーズンが近いから、……。
よかった。作業員さんもいない」
響く音は温室の静かな機械音だけ。
「ねえ」
渚ちゃんの声がストレートに届く。
「さくらが迷ってる中だから言っていいのかわからないんだけど……。
いつかは言わなきゃいけないから。
言う事があるんだ」
「何?」
緊張感が走る言葉。
何を言われるのでしょう…?
「私、
学校辞めるね」
え!?
や、辞めるなんて!?
どうして!!


