下駄箱はいつもと同じように、靴以外のものがたくさん詰まっていました・・・。
ぎっしりと詰まったそれは、手紙やプレゼントの数々。
その中にはとても有名なお菓子ブランドの春の新作や、身に付けるアクセサリーもたくさん入っています。
・・・なんと言いますか。この学校の方々は金銭感覚がたまにおかしいとさえ感じることがあります。
私にプレゼントをすることよりももっといい使い方が他にもあるのに、と思うとなんだか切なくなります。
「いやー。今日もすごいね! あたしのところもぎっしり入っててさ~。肝心の上履きがすぐに見つからなくて困った! ってどうした? 調子悪い?」
「ううん・・・。ちょっと考え事をしていただけですよ?」
「まあ、桜の思うことぐらい分かるけど」
そういって渚ちゃんは足を教室へと進めます。
歩きながら、
「プレゼントのことは気にしないほうがいいよ」
と、急に言われたのでびっくりしました。
「この学校の子達はみんな親の会社のこととか気にして生きてるから、苦しんでるんだよ。
でもその子等がまあ・・。見てくれが男みたいなあたしと自分があこがれる女の子像を自然に持ってる桜にあこがれて思いを向けることでストレスを発散してるんだろう。
でも、それはあたしたちがどうって気にすることじゃないんじゃない?
『あこがれます』って言われたら『ああ、そうですか』って流すのももちろんアリ。」
いつもは私にアドバイスなんかしない渚ちゃんがこんなことを言うなんて・・・。


