花を愛すように君を愛そう。



「ゴメンって! それよりおはようって行ってなかったね。

おはよ!」


「おはよう、いつも本当に元気ね」


渚ちゃんを見ていると心がふんわりと温かくなります。


学園の皆様も優しくはなさってくれますが、そのやさしさにはどこか線が引いてあるような気がして、さびしく孤独さえ感じます。


けれども、渚ちゃんだけは普通に話しかけてくれるのです。



気取ったようなそぶりを見せない渚ちゃんは私の憧れでもあります。



「お二人が話しているとまるで王子様とお姫様の様で美しいわ~」

「ホント、素敵よね~」


あら・・・。


皆さんが、も・・・。

いけないっ、そんなこと思ったら失礼に当たるわ!

「妄想してるね! みんな元気な証拠だ!」


あ・・・・。思ったことを言われてしまいました。


なんというか・・・。渚ちゃんらしい。


「渚ちゃんそういうことは心にしまっておけばいいものです」


「いいじゃん、思ったことは口に出したほうが自由で」


自由・・・。私には無縁の言葉ね。


「教室に行きましょう。私たちは藍組よ」


気分が重くなるのを感じ、それを振り来るように足を進めました。