「あれっ? 秋谷のおっちゃん! なんで女の子いんの?」

 軽くチャラ男っぽい人がおじさんの肩を持った。



「あぁ…今日からここに住むことになった秋谷 ひなみちゃんだよ?」

 おじさんはそれを言い終わるとわたしに挨拶を!と合図らしきものをした。



「初めまして!! 秋谷ひなみです。家事もお手伝いすることになったので何かあったら言ってください!! よろしくお願いします。」


「今日の夕飯もひなみちゃんがつくってくれたんだよ? おいしそうでだろ?」

 にこにこと笑ってるおじさん。


 男の子たちは「へー。」と言いながら椅子に座って私が座るのを待っている様子。


 わたしは適当にあいていた椅子に座った。



 すると隣に座っていた男の人が話しかけてきた。


「俺、山崎 凌(やまざき しのぐ)!! 105号室!!」

 元気系男子の山崎君はぱっちり大きな二重が印象的。



 わたしからみて左側が山崎君だったから、右は誰かなと思ってフイッと見たら…木下君。



「にゃっ!!」


「にゃって…なに…(笑)」

 山崎君が大笑い。


「…。」


 相変わらず無口なんだから。



 いつの間にかみんなご飯を食べ始めていて、口々に「うまっ」「秋谷のおっちゃんの危機!!」

 とおいしそうに食べてくれてる。

「どうやったらこんなうまくできんの?」

 山崎君が悩んでるみたい…。




 よかった…。

 男の子ってちょっと苦手だったけど、ここの人はみんな優しい。