寮に帰るといつも通りのざわざわして笑ってるみんながロビーにいる。


「ただいまーっ!!」

「お帰りなさーい。ひなみちゃん♪」


 挨拶だけしていつもならみんなと一緒にロビーにいるんだけど今日は部屋に戻った。



「ふーっ、疲れたぁーっ。」

 制服のままベッドにダイブすると部屋がシーンッとなって時計の音だけがカチコチ聞こえる。



 そのまま、5分くらいボーっとしてから服を着替えてもう一度ベッドに戻った。


 ここ最近はおじさんが休みの間、世話になったからってご飯はおじさんが作ってくれる。


 世話になってるのは私なのにね…?


 じっと天井を見ているとなんだか急に寂しさがこみあげてきた。


 最近の私、どうしたんだろ?

 何かがおかしい。

 気分的なものが…。


 ベッドから起き上がって部屋から出ると、ロビーへ駆け足。


 ―――誰かに会いたい。


 正確に言うと、千隼に会いたい。


 もうほんとにどうしちゃったんだろう?

 胸の奥がキュッとして息が苦しい。


 ここ最近しゃべってなかったから?

 だからこんなに、寂しくて苦しいの?

「千隼…いる?」

 ロビーにつくと、あたりを見回して千隼を探した。

 
「千隼? まだ帰ってきてないよ?」


 凌君が首をかしげて言った。