「ひなみちゃん? 顔色悪いよ? …一緒に病院行く?」

「…大丈夫…。」


 …ホントは大丈夫なんてどころじゃない…。

 今にも倒れそう…。


 でも、新人さんはまだ仕事を覚えてないし…抜けれない。


「店長~、ちょっといいですかー?」

 志築君が店で呼んでいる。

 休憩していた私も立ち上がって志築君の元へ向かった。


「これってどこに持っていけばいいんスか?」

「あっ、これは私がもっていくから…。」

 たくさんの注文した本が入っている段ボール。

「でも、これ重そうッスよ?」

「大丈夫!!」

 そう言って持ち上げたのはいいけどホントに重たい。


 ふらつきながらも進む私の隣を無表情で通り過ぎて行った志築君。


「店長、俺休憩していいですよね?」

「えっ、えぇ…。」



 彼には優しさというものがないのだろうか…?

 たしかに私がもっていくとは言ったけど…。