不器用男子

「…その千隼っていうのが彼氏? 学生なんだ。」

「千隼は大学生だよ。」


「ごめん。 ちょっと聞いていいかな? ひなみちゃんっていくつ?」

「もうすぐ20歳だよ。」

「もうすぐってことは誕生日近い? いつ?」


 スキって言ってもそこまでは知らないよね?


 そういえば、千隼は私に誕生日プレゼントくれたことないな…。


「12月24日だよ。」


 クリスマスだって…寮で祝ったことしかない。


「クリスマスイブなんだ。 もう一ついい? 付き合って何年?」

「3年だねー! 早い…。」

「去年の誕生日プレゼントは!?」

 痛いところ突かれたな…。

「…もらってない」


 そう言うと一気に友哉君の目は冷たいものになった。


「その千隼って男。 どこの大学? 俺、ちょっと行ってくる。」

「え!? なんで?」

「本当にひなみちゃんのことが好きか聞いてくる。」


 それだけ言うと走って行った。

 私は足が遅いから男子に速さに敵うわけがない。