不器用男子

「うわっ…ショック…覚えてない? 俺、大塚!! 大塚 臣(しん)!!」

「俺、高村ぁー、高村 直斗(なおと)!!」


 大塚君に高村君!?


 すっごい大人っぽくなってる…。


「久しぶりだねー?」

「そうだね♪ どうしたの? こんな重い荷物持って…。」

 大塚君が軽々と本の入った段ボールを不思議そうに見つめてもっている。


「本だよ?」

「あっ、書店してるんだっけ?」

 高村君が答えた。


「うん!! 千隼知らない?」

 別に探してるわけじゃないけど…なんとなく気になった。


 そう聞くと2人は顔を見合わせて苦笑いをした。

「いや……なんか…って、言っていいのかな?」

「いいんじゃない? 婚約者の桜ってやつが急に押しかけてきてさ…」

 大塚君が言った。


「…桜ちゃん? …!? 千隼たち今どこ!?」

「え!? たぶん教室だと思うけ…ひなみちゃん!? 荷物はー!?」

 私は荷物を放置して走りだした。


 …て、どこの教室!?


 聞くの忘れたぁ。