それから約1カ月。

 遊園地に行った記憶は今でも昨日のように残ってる。


 本屋を閉店して家に帰ろうと夜道をいつも通り1人で歩いた。


 街灯の下で携帯が鳴り鞄から出すと相手は千隼。


「もしもし?」

「あ、ひなみ? わりぃんだけど、明日空いてる?」

「明日? まぁ、店番はママに頼めるけど?」

「俺の両親がひなみに会いたいってうるせぇんだよ。」

「…はい?」


 両親?


 いや、急に言われても……怖いし……。


「俺たちがいった遊園地、うちの会社が経営してるんだよ。 バレた。」


 遊園地が千隼の会社の!?

 幅広過ぎ……。


「明日、ひなみ迎えに行くから。」


「えっ!? ちょっ、待っ…」


 電話は私の言葉など気にせずに切れた。