ドアを閉めようとした瞬間。


「何やってんの?」

　今までに聞いたことない冷めた千隼の声。


　背筋がゾクッとした。


「…なにって…ココアを飲んでただけだよ?」


　冷めた声も気にしてないふりをして、千隼の質問に答える。


「そ」


　そっけない返事。


　私は再び部屋のドアを閉めようと取っ手を持ち動かした。


　――――――・・・ガツッ!!


　素早く動いた千隼の手は私がもっているほうと反対の取っ手を手に持ちドアを閉めるのを防いだ。


「……なぁに?」

　自分の声は軽く震えている。

「…いや…その……」


「……なんなの…?」


　その先を聞きたくない。


　必死にもっている力でドアを閉めて鍵をした。


　耳をふさぎ、毛布で体を覆って目を瞑った。