不器用な人って分かってるのに……求めちゃう私ってわがままな彼女?


 彼女って地位さえ危うくなってる?



 もしかして…千隼好きな人できた?



 いろんな考えが頭を駆け巡る。


 恐怖に襲われ、部屋を出て隣の部屋へ。


 千隼の部屋じゃない。


 永沢君の部屋。



「永沢君…」

「木下さん? どうした!? とりあえず、入って」


 永沢君の部屋に通され、座らされた。


「ごめんね。 1人でいると頭の中がおかしくなっちゃう。」

「千隼のこと?」

「うん。 永沢君も千隼のこと好きなのに…ごめん……。」

「!? 大丈夫だから!! 俺、彼女できた!!」


 嬉しそうにチョコを見せてくれる永沢君。


 これぐらい嬉しそうに私のチョコを見てくれたらいいのに……。


 食べてくれたらいいのに……。