“あたし”たちはなにもかも同じだった。


お母さんが“あたし”たちを呼ぶときも一緒。

「愛ー、光ー。お風呂入ってー」

「「はあーいっ」」


服のセンスまでも同じだった。

「あ!これがいい!」

「光も〜!」

「じゃあ、同じの買おーよっ」

「うん!」


明日も明後日もずーっとこのまま“同じ”なんだと思っていた。

まず、そんなことを考えなくてもいいくらい普通に過ごしていた。


「いつだったっけな‥」

「え?なんか言った?」

思わず口に出していたようだ。

その口を軽く手で抑えた。