授業終了のチャイムが、校舎に鳴り響く。 それと同時にみんな、教科書を机にしまう。 「…や」 『山田くん』 そう言おうとしたけど、山田くんは教室から出ていくところだった。 授業が終わるとすぐに、教室を出ていく。 「…………」 なんでよ。 ちょっとくらい、話しさせてくれたっていいじゃん。 「ばーか」 廊下に向かって、そう呟いた。