そして俺は最後の階段を下り、顔を上げた…。


莉己がいなかったら…。そんなことを考えていたのに…


目の前では…なぜか…


莉己と拓弥が笑っていた。


「は……………??」

よく内容が読めず、ぼーっと立ってた俺。

それにきずいた拓弥がこっちへ向かってきた。


「よっ!遅くなった!
てかなに?俺のお迎え?」


「んなわけねーだろ。
はぁ…心配した俺がバカだった…。」


「心配…??」

拓弥は後ろに一度振り返り、納得した顔で俺の方へ顔を合わせた。


「かわいいなおまえ。」

「はっ…?
拓弥が言った言葉は、俺には似合わねぇよ。」


すると、拓弥は口角を少し上げて、
『意味がちげーよ。』
と言って、後ろでぼーっと立っている莉己のところに行った。


意味がちげーって…じゃあどんな意味だよ…???


ハテナマークを三個ぐらい頭の上にだした俺の横を、楽しそうに話しながら莉己と拓弥が階段を上がってった。



俺って今、すげーだせー男だな…。



俺はその場に立ち尽くした。